さて、今年は酷暑が続きましたが、お盆も過ぎてやっと暑さも和らいできました。
とはいえど、まだ30℃超えだったりするのですが。
そんな中、台風が日本の南海上で連続して発生しています。
台風もそうですが、自然災害というのはやはり恐ろしいもの。
被災はしたくないものですが、なんせ自然のものなので人力ではいかんともしがたい。
そんな時の備えに火災保険、地震保険というものがあります。
台風などで雨どいが壊れた!といった時に使われるのは基本的に火災保険になります。
地震保険はその名の通り、地震での損害や噴火による火災、津波などの補償の為の保険です。
基本的に地震保険単体での保険商品はなく、火災保険の特約としてくっついているのが一般的です。
災害で家の一部が壊れた!火災保険には入ってるけどどうすればいいの?
自分の家は、風の通り道の様な所に建っていて、これまでも結構な回数台風の被害に遭っています。
まだ何も知らない頃は台風での雨どいの被害を火災保険で対応できるなんて事は頭にもなく、自費で修理をしていました。
ですが、10年ほど前の台風で2階の雨どいの東側半分が外れて落ちた時に火災保険の保険請求をしてから
「火災保険って台風被害にも使えるんだ」
と初めて知りました。
知ってる人からすれば当たり前の事ではあるのですが、その発想がないとなかなか請求するという思考に至らないんですよね。
損害保険って聞くと、大抵車の事故とかを想定してしまいますし、
「火災保険」
って文言から
「台風の被害に使える」
って発想がなかなか出てこない。
でも、実際に使えますし、何か被害があったら遠慮なく加入している保険会社に問い合わせていいのです。
実際に保険を請求する手順は?
基本的に以下の手順が基本となります。
- 実際に被害があった家屋の部位を写真に撮っておく。
- 自分が加入する保険会社へ連絡し、保険請求書の送付をお願いする。
- 地場の工務店等、できれば信頼のおける会社に修理の見積もり書作成を依頼する。
- 修理会社からあがってきた見積もり書と自分が撮った写真、保険請求書に必要事項を記載したものを保険会社に送付する。
基本的にはこれだけです。
どの位の損害があったら損害保険は出るの?
実際に自然災害による家屋への被害があったとして、どの程度の被害から保険請求をあげていいか、というのはなかなかわからないものですよね。
最初は自分もわかりませんでした。
一応、保険会社もに免責約款というものがあって、損害によって
「損害額が○○万以下の金額の場合は保険金支払いの責任を免れる」
と謳っていたりします。
わかり易く言うと、
「安価に修理できる小さい損害だと保険会社は保険金を支払う責任がないですよ」
という事ですね。
これは保険契約によって違いがありますので、保険証券を見たり、保険会社に問い合わせたりして確認されるのが一番だと思います。
「じゃ、雨どいの一部が壊れただけじゃそうそう保険金っておりないんじゃ?」
って思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
素人の発想から、
「雨どいの壊れた一部分だけを修理するとなるとそんなにかからないのでは?」
と思いがちですが、実際には壊れた場所が二階以上の位置の雨どいだった場合やそれぞれの家の作りによって、修理の為の足場の設置費用等が大きくかかってきたりします。
また、雨どいも壊れたモノが古過ぎて今現在の市場に同型のものが出回っていなければ継ぎで修理ができません。
そういった場合には雨どいの全交換をしなければ本来の雨どいの機能を復旧できない場合もあります。
ですので、まずは信頼できる工務店さん、全然知らない場合はできるだけ規模の大きな地場の工務店さんに見積りを依頼してみましょう。
また、カーポートの屋根なども建物の付属物として保険がおりる事がありますので、そちらの被害があった場合も併せて見積もりをお願いしてみてください。
損害保険が支払われる時と支払われない時の差は?
先述した様に保険会社の免責にあたる損害額、損害原因であったりすれば保険は支払われません。
損害額の免責について損害が小さい場合がそれに当たるので、その時は
「被害が少なくてよかったな」
と思えばいいのですが、損害原因の部分は保険会社への自分の申告の仕方で出たり出なかったりする場合があるので注意が必要です。
日本人の性質なのか、実際に自分は破損が元からあったかどうかを見ていないのに
「建物が古いので元から悪かった(であろう)所から被害が発生したのだと思います。」(実際には見ていないけど)
という自身の発言や保険請求書への記載によって保険がおりない場合があるのです。
保険請求書への記載の仕方によって本来出るはずであった保険金が出ない事がある、なんて思いもよらないですよね。
保険請求書の内容によって保険がおりないケースって?
前述した様に保険請求書に記載した内容によっては保険が出ない場合があります。
マンション等の配管からの水漏れ等は火災保険の対象になる事があるのですが、台風などの災害時の水濡れ被害に保険金がおりない事は少なくありません。
古いタイプの住宅火災保険には最初から台風などの災害時の水災の補償がないものもあるからです。
ですが、それだけでなく、前述した様に自分の予想を保険請求書に書いてしまって保険金がおりない場合もあるのです。
例えば、
台風後、水漏れの発生を確認しそれによって家財にも被害が出たケースを想定したとします。
- 家屋が古くて一部破損していた(かもしれない)場所から台風によって雨水が吹き込んで家財に被害が出た。
- 台風を原因とした風災によって破損した(と思われる)場所から雨水が吹き込んで家財に被害が出た。
この2つの記載の仕方の場合、1ではまず保険金がおりません。
なぜなら、最初から問題、瑕疵があった建物に、台風によって雨水の吹き込み被害が生じても保険金支払いの対象外になるからです。
対して、2の記載の場合、本来瑕疵がなかった建物に台風によって破損箇所が発生し、同台風によって家財にも損害が発生した事となるので、保険金がおります。
人によっては遠慮がちな性格などが災いして、思わず1の様に保険請求書に記載してしまう事があります。
ですが、台風が来る前に自分が目視で建物の破損を確認していたわけでもないのに、1の様に記載してしまうのは問題です。
「自分が台風が来る前に目視で建物の破損を確認していない場合」
に於いては、基本的に保険請求書には2の様に記載をする事を推奨します。
なぜなら、
「その破損が台風前にあったかどうかはわからないけど、台風後にはある事を確認した。」
が全てなのですから。
実際に台風によって発生した破損なのかどうかの詳細な確認が必要ならば、それは保険会社が行う事であって被害にあった保険加入者が行う事はありません。
蓋然性(がいぜんせい)がないと言うのなら、その蓋然性がない事の証明は保険会社がすべき事です。
上記の様なケースでは、
「台風によって発生したと思われる」
という書き方が妥当だと思われます。
疑義があるとして調査が必要となるなら、それを行うのは保険会社ですので加入者は遠慮なくその様に保険請求書に記載をしてください。
「だって、本当にわからないんだから仕方ない。」
のですから。
*蓋然性(がいぜんせい):その事柄が実際に起こるか否か、真であるか否かの、確実性の度合い
例えば、
1.台風が来た
2.その後に天井に雨染みが確認できた
3.屋根を確認してもらったら瓦がズレていた
2と3は1の原因を元に発生した=123の因果関係には確実性があるだろう、と判断できるという事です。
この状況に対し、仮に保険会社が台風ではなく経年劣化だと言い張り保険金を支払わないのなら、そこに因果関係がない証明は保険会社がするべき事になります。
そしてもし、元から保険金が払えない様な物件に保険をかけさせているのなら、その保険会社は保険法違反をしている事になります。
元から保険金が下りない物件なのに保険料を支払わせている事になりますので。
大規模災害時に保険会社に保険金を申請する際の注意点
あまりに損害が広範囲に、且つ同時に発生する様な大災害の場合や、請求金額が大きい場合は、保険会社も
「保険事故調査員」
を派遣する事があります。
基本的に保険会社が外部に委託して派遣する事が多いのですが、こういった広範囲に渡る災害の場合、事故調査員さんも何件も数をこなす必要があるので、基本的なガイドラインに沿った対応のみになりがちです。
勿論、それも必要な事ではあるのですが、本来ならば一つ一つの保険事故によって内容は違うわけですからあまりに杓子定規に裁定されて保険金額を大きく減らされてしまっても困ります。
保険事故調査員が出した調査結果に基づく保険金額を保険会社から提示された後、その金額が工事会社が出してきた見積もり金額からあまりにも乖離していた場合は、工事会社の人にも相談をする事をおススメします。
工事会社もこういった災害の復旧工事は何件も行っていたりしますので、会社によっては
「この損害の発生の仕方は単なる雨漏りだけではおきない」
という様な、様々な建物の復旧をしてきた経験者目線でのアドバイスをもらえたりもします。
事故調査員も件数をこなす中でどうしても確認が疎かになる事がありますので、工事会社の人からの建物の破損の仕方からどういった形で被害が発生したかのおおまかな予測なども聞いてからもう一度保険会社から提示された支払い保険金額が妥当かの話を保険会社としてみる事をおススメします。
台風等で倒れた木の処分費用にも損害保険が出る?!
基本的に火災保険は家屋に生じた被害を補填するものですが、場合によっては庭木が風災によって倒木した場合などにもその倒木の処分費用を出してくれたりもします。
もし、台風によって庭木の倒木が発生した場合は、上記の保険請求と同じ手順で工務店等に倒木処理の見積もりをもらってから保険請求をしてみる事をおススメします。
自分の家の庭の古い大木も台風で倒れた事があったのですが、その時も火災保険から倒木処分費用がおりました。
まぁ、その時も毎度の事ながら雨どいが壊れたので一緒に馴染みの工務店に倒木処理の見積もりも出してもらっていたのですけど。
まとめ 保険請求も回数をこなすと色々わかってくるわけで…
それにしても、風の通り道にある家というのはどうしても家屋に被害が発生しがちです。
我が家も3年に1回くらいのペースでどこかが壊れている気がします。
坂の頂上にある上に、そこに至るまでの道が一本なので、吹き上がる風の勢いがすごいんです。
台風が直撃する度に毎度毎度家屋に破損箇所が無いかを確認してまわるのも本当に面倒な作業です。
ですが、被害から数年経過していても保険は下りるので、台風後には家の雨どい、外壁だけでも確認してみる事をオススメします。
また、地場の工務店がよくわからない場合は、以下のサービスを使って見積りを依頼をするのも一つの方法です。
自分も色々利用しましたが、ここが一番マトモだと思いました。
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