*今年の電工二種、一種の全日程の詳細はこちらをご覧ください。*
なんでこんな記事を書くかというと、ある人が電気工事士の試験を受けたいというので、昔自分が書いたものをブログに再録しようと思った次第。
以前書いたものはそこにたどり着くまでが面倒。
ブログに書いておけばすぐに読めるからというのが理由。
見易い様に少し内容も更新してアップしてます。
電気工事士試験を受けるのにテキスト不要?!と書いたわけ
さて、電気工事士の技能試験を受ける為にはまず筆記試験に合格しないといけないのですが、少なくとも
第二種電気工事士試験の筆記試験に於いてはテキスト購入の必要はない
と私は思っています。
なぜなら、どのテキストよりもよくできたサイトがあるから。
私が合格した時はまだ前身サイトだった頃ですが、大変お世話になりました。
こちらのサイトにアップされているpdfファイル群こそが至高のテキストです。
筆記試験はそれらさえきちんと修めていれば合格に支障が出る事はありません。
勿論、基礎的な内容を補完する為にテキストは購入しておきたい!っていう人はいると思います。
入門用にこの辺りがあれば、あとはnekodenで大丈夫かと。
筆記試験をパスした後、技能試験までに準備しておく工具類
さて、首尾よく筆記試験をパスしたら次は技能試験。
技能試験受験にあたってまず準備するもの
・ケーブルストリッパー
P-958、VS-4Aと二つありますが、性能はほぼ同じなのでその時々で安価な方を購入したらいいと思います。
また、P-958については「単品」で購入する事をオススメします。
他に色々ついたセット商品がありますが、使わないものもくっついてくるのでお金が勿体無いです。
自分が合格した時はP-957というひとつ前のモデルを使っていましたが、それは三線同時被覆剥きができない二線同時までの2度手間仕様でした。
ちなみに
「フジ矢 電工VAストリッパ(電気工事士試験対応) 210mm FVA-1620」
というものもあるのですが、これはオススメできません。
ペンチやニッパーについては断然フジ矢だと思うのですが、このストリッパーの出来についてはP958やVS-4Aの方が上です。
それと、実際の工事の時によく使用されるいわゆる
ガッチャン
は工事には向いていますが試験には向いていません。
現場で「補助手伝い」とかを経験している方で
「ガッチャンでいいや」
とか思っている方の方が試験に落ちたりとかします。
「試験には試験に向いた工具を使う」
のが一番です。適材適所です。
それに、使ってみると現場によっては取り回しがし易いP-958やVS-4Aの方がいい時もありますので、購入しといて損はないと思いますよ。
・電工ナイフ
他に選択肢がないですね。
ちなみに、ナイフを忘れて電工一種の技能本試験を電工ナイフではなくコンビニで購入した普通のカッターナイフで乗り切った人もいるらしいです。
誰かな(・´ω・`)ゞ?
*技能試験本番ではカッターナイフの使用は推奨されていません。*
・圧着工具
私が試験を受けたときには単体購入だと大体P-77だったのですが、今は色々安価なものも出ている様子。
これ普通に買うとかなり高価なんです。
あと結構デカい。
試験会場って大体大学の講堂とかを使います。
そういう所だと実際に使える机の面積が小さい為、工具はなるだけコンパクトな方がいいです。
圧着(大)なんて現場でもまず使う場面がないので、特小、小、中が圧着できるものでも十分だと思います。
取り回しもこっちの方がよさげです。
ただ、電工一種の技能試験の場合、今後の試験内容によっては(大)の圧着問題が出る、、、かなぁ?
候補問題の中に(大)圧着がある年度の場合だとP-77が必要になってくるかもしれません。
・ペンチ
ペンチはフジ矢。
いいかい、よ~く覚えておくんだよ。
ペンチはフジ矢、だ。
・プラスドライバーとマイナスドライバー
電気工事士として仕事をしていくのなら、先々の事を考えて安全貫通ドライバーの方を購入するのもいいかもしれません。
また、試験だけを考えるならば100円ショップのドライバーでも、と思われるかもしれませんが、あまりに安価だと精度が悪くてネジをなめやすかったりもするので、ヴェッセルの上記ドライバー辺りが値段と性能のバランスからしてお勧めです。
ボールグリップは正義( -`ω´-)b!
・ウォーターポンププライヤ
必要なし
試験では使いません。
というか工具を置く場所が狭くなるだけなので、あるとかえって邪魔になります。
仮に持って行ったとしても、工具袋の中にそっとしまっておきましょう。
電工二種技能試験で金属管の問題が出たにも関わらず使わないまま合格した私が言うんだから間違いありません。
ロックリングをある程度手で締めた後、最後に金属管の方を右に回せばガッチリ固定されます。
金属管の方を持ってアウトレットボックスをフリフリして、ガタつかなければ大丈夫です。
ネジ切りは、ドライバーで回すだけで最後は勝手に頭がネジ切れる仕様のネジが配布されます。
・スケール(定規)
必要なし
ケーブルストリッパーの横についています。
それを使いましょう。
・合格ゲージ
必要なし
利き手ではない方の自分の親指の第一関節から爪の先までの長さを測ってみましょう。
約3cm前後だと思います。
ピッタリでなくてもいいので、爪先から約3cmの長さにあたる第一関節辺りのシワを覚えるか、マジックで印をつけておきましょう。
するとほら、立派な合格ゲージが指先に現れたでしょ?
・合格クリップ
必要なし
まず、結線する予定の線同士(2本でも3本でも)を先端の被覆を3cm剥いて重ねます。
次に、結線する時に使うリングスリーブを通します。
スリーブを通したら、銅線が抜けない様に上に飛び出た部分の銅線を指で90度曲げます。
立派な合格クリップが完成します。
・合格配線チェッカー
必要なし
あっても試験会場には持ち込めないですしおすし。
それにほら、試験監督官が施工不良の判定をする方法は
・手で引っ張って配線が抜けるかどうか確認
・目でランプレセプタクルの輪は右巻きか確認
なのだから、君の手と目で同じように出来るゾ!
・合格マルチツール
必要なし
どうしてもホーザンにお布施したいなら購入して、どうぞ。
・工具袋
正直、全部の工具が入ればどんな袋でもいいと思います。
試験会場では使う工具だけを机の上に出します。工具袋は机の下です。
・色々選ぶのが面倒臭い人向け
実技試験前に必ず購入して読み込んでおいた方がいいテキスト
・20○○年版 第二種電気工事士技能試験公表問題の合格解答
・20○○年版 第一種電気工事士技能試験公表問題の合格解答
これはあった方がいいと思います。
むしろこれをしっかり読み込む事が技能試験合格の第一歩です。
確かに電気技術者試験センターのHPに技能試験の候補問題が公表されますが、模範解答とセットになっているこちらが圧倒的に便利です。
写真とかもあってわかり易いですしね。
実技試験日前までに必ずやっておかなければならない事
*注意*warning*試験前に実技の練習を必ずしておいてください。
動画にしろ写真にしろ、見るのとやるのとでは全然違います。
実際に自分でやった時、最初は必ず混乱すると思います。
練習の仕方がわからない人は、
こういうセットを購入してyoutubeの技能試験実践動画を見ながら練習するのも一つの手段です。
ちなみに自分は電気専門学校の短期技能試験対策講座を受講しました。
こういう実技試験用短期講座はその学校の学生でなくても大抵受講が可能です。
自分が先に受験したのは第一種電気工事士試験だったので、受けたのは第一種電気工事士技能試験の講座でした。
材料、テキスト、受講料全部込みで28,000円程かかりましたが、これを受講したおかげで後に受験した第二種電気工事士試験も一発で合格できました。
(工具はレンタル可能でした。ですが、どっちにしろ必要になるので自前の工具で授業を受けた方がいいです。借りる物だとペンチの切れ味がすごく悪かったりするので。切れ味が悪い道具を使うのは怪我の元です。ちなみに、自分はケーブルストリッパーP-957をこの専門学校で購入しました。定価ではなく割引もあったのですが、それでもamazonで購入した方が安かったです。)
特に勉強時間のスケジューリングが苦手な自分にとっては、決まった時間に講座に行って勉強する方が集中できました。
わからない所を質問したら即実演込みで教えてもらえる所もよかったです。
どれでもいいので、とにかく自分で実際に工具を持って工作技能試験を体験してください。
で、
ここから先は、そういった
「ある程度練習して各作業が手慣れてきた状態の人」
を想定して書いています。
試験日当日に忘れてはいけない事
さて、工具の準備が済んで、模範解答も読み込んで、nekodenサイトにも頻繁に通って、youtubeの模擬試験動画等も見て、自分でも練習を済ませたとします。
では、ここからがこの記事の本番!
試験当日に最低限必要なものの確認。
工具以外のもの
・受験票
・筆記用具
工具袋とその中身
・ケーブルストリッパー
・圧着工具
・フジ矢のペンチ
・+ドライバー
・-ドライバー
・電工ナイフ
これらを忘れてはいけません。
電工ナイフも忘れてはダメですよ。
でないと、
試験会場最寄のコンビニでいらんお金を使うハメになります(´;ω;`)
会場で電工ナイフの貸出もあった気はしますが、ちゃんと準備する方が懸命です。
試験会場に到着したら、
・水分補給
・トイレに行く
・試験監督の話を聞く
この辺もちゃんとしておきましょうね。
↓では、試験の時間です。↓
実技試験のフローチャートその1 試験開始前
- 配布された問題用紙の表紙から問題文が「透ける」ので、候補問題のどれかを確認する。
- 試験材料が配布され、材料の数、長さ確認の指示が試験監督から出たら、材料が入っている箱からケーブルを出して、P-958(もしくはVS-4A)の横に印字されたスケールで測る。
- その際、Pなら10cm単位でしか計れないので、その10cm単位でケーブルにツメで印をつける。
- リングスリーブやジョイントボックスの数を確認する。
実技試験のフローチャートその2 試験序盤
- 問題文(施工条件)をよく読む。
- 複線図が必要な人は複線図を書く。
- 特殊色のIV線などがあったら、絶対に施工条件にそれについての施工方法が書いてあるのでそういうのを見逃さない様に。
- 最初に手をつけるのは必ず「アウトレットボックス」。
- アウトレットボックスのゴムブッシングにナイフで一文字もしくは十文字に切り込みを入れる。
- アウトレットボックスに切り込みを入れたゴムブッシングを取り付ける。
- 金属管などがあった場合はそれも取り付ける。
- 次に手をつけるのは、「周辺のスイッチやランプ」。
- 連結スイッチや電源関係があったら、組み立ててしまう。
最初にアウトレットボックスを組み立ててしまう。ゴムブッシングに入れる切れ込みは一文字よりも十文字がオススメ。
一文字だとブッシングをアウトレットボックスに取り付ける際に切れ込みの方向が上下だったり、斜めだったり、横だったりして一定ではなくなり、切れ込みの角度によってケーブル挿入がしにくくなる。
十文字だとどの角度でもケーブルを挿入する時のゴムブッシングの抵抗が一定なので挿入がしやすい。
次に一体化できる部品群を組み立てて一つのパーツにしてしまうのがポイント。
箱の中に残るリングスリーブとコネクタ、各ケーブル以外の材料をできるだけ減らすと、
見た目にもスッキリして机上も整理される。
この時点で精神的に楽になります。
実技試験のフローチャートその3 試験序盤-中盤
自分が作りたい所から作る。
その際、(仮にランプレセプタクルから作るとして)
- ランプレセプタクルを作る。
- ランプ側の配線被覆を3cm剥いて右まわりの輪っか作成。
- ランプレセプタクルに右輪っかをネジ留めしてそこからアウトレットボックスまでの長さを測ってケーブルカット。
- スイッチを作成する。
- スイッチに挿入する側の配線被覆を3cm剥いてスイッチに挿入。
- アウトレットボックスまでの長さを測ってケーブルカット。
- B-9で組み立てた様なスイッチで、渡り配線が必要な場合はその分を測ってケーブルカット。
- 渡りの為に切った配線のシースを剥いてケーブルを黒と白に分けて施工条件に合わせて施工。
といった感じでやっていくと、
「焦ってケーブルを予定より短く切断してしまった!」
という事故が起こりません。
ちなみに、上の方でも
「3cm」
と書いていますが、なんで3cmなのかというと、
被覆を剥く時のこの長さは、
試験に出てくる全ての結線、挿入に対応できる銅線の長さ
だからです。
電源やスイッチの裏側には被覆を剥く時の目安になるスケールが必ずついています。
3cm剥いた後でそこに合わせて余った銅線をカットしてもいいですが、そのまま挿入しても銅線が剥き出し状態(減点対象)になる事はありません。
実技試験のフローチャートその4 試験中盤-終盤
アウトレットボックスと周辺全部の配線を作ったら、それらをアウトレットボックス挿入する。
- この時に、全てのアウトレットボックス側(ランプレセプタクル等がくっついてない方)の被覆が3cm剥いてあるかを確認しておく。
- それぞれのケーブルをボックス内に配置したら結線する線同士をより合わせる。
- より合わせた線にリングスリーブを通し、通した後に抜けない様にリングスリーブの上側に飛び出た銅線を曲げて半固定。
- 問題文を見て全ての配置を確認して、施工条件も確認する。
- 間違いがなかったら、アウトレットボックス内のリングスリーブの圧着は後回しにして、差込コネクタの配線からつなげていく。(ジョイントボックスがある問題の場合は大抵そこが差し込みコネクタ接続。)
- ここで、もう一度配線に間違いがないかを施工条件を見直して確認する。
- 圧着ペンチでリングスリーブを留める。
- リングスリーブ上部から飛び出ている銅線をカットする。
- 全体のチェックをする。(ランプレセクタクルの留め部はちゃんと右巻きの輪作りをしてあるか、アウトレットボックスにケーブルシースはきっちり差し込みきってあるか等。)
リングスリーブの圧着については、
1.6×1.6の2本は○(特小)、2.0×1.6の2本は小(小)を忘れない事
リングスリーブの圧着間違いは基本的にこれだけ。
圧着中(中)からは、リングスリーブのサイズが中サイズになるからまず間違わない。
記事まとめ
基本的にこういった工程で進めていけば、二種なら20分程度で、一種なら45分程度で十分完成させられると思います。
今の新型P-958ならもう少し短くできるかもしれません。
試験にあたって、落ちる原因といえば、
・施工条件を読まない
・混乱、焦りによるタイムアップ
この二つが殆どだと思いますが、施工条件を読むのは何より大事な事です。
せっかく時間内に完成しても、たった一本の結線ミスで落ちたら泣くに泣けません。
どうか冷静に施工条件読む事だけは忘れないでください。
そして、
工具はその時々で最も適したものを使うのが一番
です。
試験の場合は試験に合格する事が目的なのですから、
「試験を受けるのに適切な」
道具を使うのは良い事だと思います。
PでもVでも、使う事で時間的余裕が生まれるのは明白なのですから使うべきです。
最後に
ペンチだけは安いモノではなく、切れ味の良いもの(フジ矢)を購入する事を激しくオススメします。
電工二種の技能試験はPやVだけでもいいですが、電工一種の技能試験に出てくるKIP線カット時やVVRシース内の紙を切る時は困りますよ。
まぁ、将来の事も考えてペンチはいいモノ(フジ矢)を購入しといて損はないです。
現場でもフジ矢のペンチが一本あれば大体なんとかなります。
ペンチはフジ矢。
忘れるな、電工試験合格を目指す諸君。
ペンチはフジ矢!
熱いフジ矢のペンチ推し。
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